亡くなった父がネット証券を通じて株取引をしていたことを母から聞きました。どうやらネット銀行にも預金があり、そのお金で投資をしていたようです。父の死後、PCやスマホを確認したところ、パスワードが掛けられておりアクセスすることができず、友人への連絡や資産管理ができず困っています。
デジタル遺品は今とても深刻な問題になっています。
パスワードの解除を専門の業者にお願いすると費用と時間もかかります。特にスマートフォンの解除は、専門業者でも難しく、費用も数十万円かかる場合もあるんです!
故人の利用していたパソコンやスマートフォンなど個人情報の入ったデジタル機器を「デジタル遺品」と言います。家族がパスワードを知らないまま亡くなられた場合、パスワードがわからず必要な情報が確認できないなどのリスクが今大きな問題になっています。
FBIでも解けないiphoneロック
故人のパスワードリスクを世界に知らしめた事件が2015年アメリカにて発生しました。
2015年2月、カリフォルニアの福祉施設にて武装したテロリストによる銃乱射事件が発生。14人が犠牲になるという痛ましい事件です。事件後、FBIが犯人の遺品を調べたところ犯人が使っていたとみられるiphoneが見つかりました。そのiphoneはパスワードでロックされていたため、FBIがロック解除を試みますがFBIの技術力を持ってしてもロックを解除することができなかったのです。そこで製造元のアップルにロック解除を依頼しましたが、アップルはこれを拒否。その後、裁判に発展し、ロック解除の難しさを世界に知らしめる結果となりました。
パスワードは必ず書き残す
「デジタル遺品」のリスクはデジタル機器の発達とともに、ここ20年くらいで急速に拡大した問題です。デジタル機器を開くためのパスワードの他にも、ネットサービス、会員情報のパスワードなどがこのデジタル遺品リスクに含まれます。
パソコン、スマホのデータ・ネット証券、ネットバンキング、各種SNS、ブログ、ネットショッピング、有料の動画や音楽サイト等へのログイン情報など
亡くなった際に家族が友人へ連絡しようにも電話の連絡帳にアクセスできない。どんな有料サービスに加入していたかわからず解約が進まない。など、大きなリスクが今問題になっています。特にスマホやパソコンなどのロック解除には専門家による対応が必要になるため、中を確認できるまでに相当な時間と費用がかかる場合もあります。
「デジタル遺品」は本人のみならず、家族からも万が一の場合に備え普段からパスワードや利用サービスをノートに記載するよう本人に薦めるなどの対策が重要です。 弊社のおすすめするエンディングノートにはデジタル遺品の記載項目などもあります。
存命中に遺品の話をするのは気が引ける話題ですが、大切なことですので普段からコミュミケーションを計りながらデジタル遺品への対策を行っておきましょう。